One

2013.1.12−2.24 ラディウム-レントゲンヴェルケ

Roentgenwerke press release

2013年最初の展覧会として、神庭祈永歌(かんばきえか)初個展「One」を開催します。レントゲンヴェルケとして初の人物像作品による個展となります。ご高覧、ご高配賜れますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。神庭は1987年鳥取生まれ。様々な作風を試してきましたが、最近では、淡い色調で人物像を描く「One」を主に展開しています。画像では捉えにくいほどの淡いブルーとピンクそして今回初めて現れるイエローは、そのまま神庭独特の色調として、所々に塗り込められた微細なるガラスの粉が放つ淡い光とともに、描かれる人間の存在を曖昧なものにしています。そこにいるのは誰なのか、見る者はその像のあり様を必死に追いかけているつもりなのですが、いつのまにか、絵の方からじっと見られていることに気づきます。これまで数回のアートフェアへの出展がありましたが、国内外に問わず、彼女の作品の「瞳」は、見る者を魅了してきました。「One」のシリーズ新作が並ぶ今回の個展、神庭祈永歌の作品の魅力をぜひご高覧くださいませ。

神庭祈永歌の「瞳」


神庭は「人間の一生と霊魂を描きたい」という。霊魂という言葉には同じ人の内面とは言え「心」や「思い」といったものより、強い意志が働いているのではないか。淡い色彩、ガラスビーズ、そうした色と素材、さらに少女像という一見されるナイーブなビジュアルの内側に、情念的とも思われる「黒さ」を感じるのはその意志の顕現に違いない。その顕現をもっとも強く感じるのは、少女たちの瞳。作品全体の印象からはむしろ浮き上がる様に丹念に描き込まれたそれは、鑑賞者の内面を覗き込むかのようである。絵画と鑑賞者の交感。神庭の作品は魂のレベルにおけるインタラクティブアートなのである。

 

(レントゲンヴェルケ 池内務)

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